今回は、傘への印刷事例をご紹介します。
試作に使ったのは、PE(ポリエチレン)製のビニール傘です。
ホテルや旅館のフロント脇によくある「お客さま用のレンタル傘」をイメージして、おしゃれなロゴ入りの傘を制作しました。
目次
1.自社のロゴ入り傘がもたらすメリットとは?
ホテルや旅館などで、ロゴ入りの傘が用意されているのを見たことはあるでしょうか?
ゴルフ場や美術館などでも、入り口に用意されていたりしますよね。
こういった貸出し用の傘は、突然の雨や雪になったとき、とても助かるうれしい心遣いです。
「ロゴ入り傘」は広告としての費用対効果が高い
ロゴ入り傘のメリットは、広告としての費用対効果が高いことです。
お客さまに傘を使ってもらうだけで、まわりの人にさりげなく自社の名前を見せることができ、自然と広告効果が得られます。
さらに「急な雨で困っていたけど、傘を貸してもらえてよかった」と、企業に対する好感度が上がり、ポジティブな印象も与えられます。
傘が活躍するのは、雨の日だけではありません。
ゴルフ傘などの晴雨兼用傘なら、天気を問わず一年中稼働させることも可能です。
ロゴ入り傘で広告を成功させた企業の導入事例
ロゴ入り傘を使った広告の成功例として、企業の導入事例を見てみましょう。
都内や阪神にお住いの方は、駅に設置してある青い傘立てを見たことはないでしょうか?
傘のシェアリングサービス「アイカサ」です。
「アイカサ」は、ビニール傘の使い捨てを減らし、エコな未来をつくることを目的として設立された、民間企業のプロジェクトです。
「アイカサ」に参加しているのは、旭化成ホームプロダクツ、パナソニックなどの大手企業です。
プロジェクトは2022年の発足から2年で、早くも成功を収めました。
参加企業も順調に増えており、今では都内の多くの駅で利用できるようになっています。
たくさんの人に自社のロゴをさりげなく見せることができる「ロゴ入り傘」は、広告としての価値が非常に高いことがうかがえます。
2.傘への印刷について
キレイな見た目はもちろん、丈夫で長持ちするロゴ入り傘をつくるには、どんな方法があるのでしょうか?
ここでは、傘への印刷についてご紹介します。
傘への印刷方法は「シルクスクリーン印刷」
傘布への印刷は、シルクスクリーン印刷で行います。
シルクスクリーン印刷は、あらかじめ絵柄を抜き出した「版」という板に、たっぷりのインクをのせ、版の下に敷いた製品へ絵柄を写す印刷方法です。
絵柄を切り抜いた版と絵の具があれば自宅でもできるので、手作りTシャツや年賀状プリントでもよく使われる手法ですね。
シルクスクリーン印刷の詳細は、こちらの記事をご覧ください。
また、パッド印刷で傘の持ち手に印刷することも可能です。
パッド印刷による傘の持ち手への制作事例は、こちらの記事をご覧ください。
印刷色とプリント位置はどこまで調整できる?
シルクスクリーン印刷では、特色の使用も可能です。
シルクスクリーン印刷での特色とは、インクメーカーが保有する一般色(赤・青・緑など)以外のことで、PANTONEやDICをはじめ、 一部制限がありますが、金・銀・蛍光ピンクなどの特別な色味があります。
印刷できる位置ですが、傘布は個体によってばらつきがあるため、シビアな位置指定は難しい場合があります。特に多色印刷等の場合は、注意が必要です。
例えば傘のサイズが直径60cmの場合、印刷できる範囲は、1面に対して「たて15cm×よこ20cm」ほどになります。
また、傘布の複数の面に印刷することも可能です。(別途追加費用が必要)
ロゴの色味やデザインとあわせてご検討ください。
どんな傘でも印刷できるの?
傘布の防水・撥水処理が強すぎる場合、インクが密着せず印刷できないことがあります。
そういった場合は印刷できるように前処理をするなど、できる限りの対応をして印刷を行います。
ただし、防水・撥水は「液体を透過させない」性質なので、効果が強すぎるとインクの水分まではじいてしまい、インクを密着させることができません。
そのため、防水・撥水処理があまりに強すぎる場合は「対応できる印刷方法がない」という結果になってしまいます。
「防水・撥水効果が強くてロゴも入れられる傘」をご希望でしたら、私たちが一緒に探すこともできますので、ぜひお気軽にご相談ください。
3. 印刷製品について
それでは、今回の印刷製品について見ていきましょう。
傘の豆知識と、特殊阿部製版所で注文が多い傘のタイプについてもご紹介します。
傘の豆知識|ビニール傘と布傘、どちらが耐久性が高い?
ビニール傘と布傘は、どちらが長持ちするのでしょうか?
使い方や材質にもよるので一概には言えませんが、布傘に使われているポリエチレンやポリエステルのほうが、紫外線による劣化に強いという特徴があります。
さらに、傘の耐久性は骨の材質と本数で決まります。
強度が高い骨の素材は「グラスファイバー」ですが、重さがあるのがデメリットです。
軽くて強い素材といえば「カーボン」ですが、価格が高くなります。
また、傘のサイズが大きいほうが風に強いため、丈夫さを重視するなら大きい傘を選びましょう。
材質にかかわらず、傘の耐用年数は3~4年となっています。
傘を使うお客さまの安全性と、広告としてのイメージを考慮して、劣化してしまう前に交換するようにしましょう。
自社のロゴ入り傘で注文が多いタイプは?
よくご依頼いただくのは、ビニール傘やゴルフ傘への印刷です。
ゴルフ傘は70cm以上の大判サイズがよく使われるため、印刷範囲も広くなりロゴが大きく入れられるのが特徴です。
印刷のご依頼は、小ロットから承ります。
お持ち込みの傘への印刷はもちろん可能ですが、ビニール傘であればこちらでご用意することも可能です。
特殊阿部製版所では、量産前には必ず試作を行っています。
お客さまの完成イメージに忠実に印刷するためにできる限りの調整をいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
4. 印刷サンプル紹介
今回の印刷サンプルを見ていきましょう。
こちらの傘は、傘は、直径 60CM 印刷サイズは 19x7CM 印刷色は 1C 特色 茶色
デザインは、「清澄白河にあるおしゃれな旅館のレンタル傘」をイメージして制作しました。
清澄白河のパブリックイメージが「カフェ」になっているのをご存知でしょうか?
そこで、旅館とカフェを融合した架空の旅館「旅籠カフェ」のロゴをデザインしました。
旅籠(はたご)とは、江戸時代に生まれた「旅館」の呼び名です。
四角いロゴは、漢字の「深」をレトロな窓風のロゴに見立てて作りました。
窓の中にはこっそりコーヒー豆を配置しています。
味わい深いコーヒーの香りが漂ってくるような気がしませんか?
傘布は、蔵のような白壁の旅館と白いコーヒーカップの色をメインカラーとして、乳白を選びました。
ロゴの色は、コーヒー豆をイメージした茶色です。
ビニール傘でも布傘のような雰囲気のものを選んだため、高見えしますね。
5. 最後に
今回は、傘への印刷についてご紹介しました。
弊社では、今回のようなビニール傘のほかにも、さまざまなお持ち込み製品への印刷を行っています。
これまでの試作事例にない材質であっても、お客さまと一緒に最適な印刷方法を検討させていただきます。
自社のロゴ入り製品の印刷でお悩みの方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。