今回は、コーヒーにちょうどいい、小ぶりなサイズの「グラス」への印刷をご紹介します。
ゆるっとおしゃれなイラストが、コーヒータイムにぴったりですね。
見ているだけで「ほっ」とひと息つきたくなるグラスとなりました。
目次
1.ガラスの種類と特徴
グラスを選ぶとき、デザインや質感のほかに、どんな基準で選んでいるでしょうか?
ここでは、グラス選びに役立つ「ガラスの種類と特徴」を見ていきましょう。
ソーダガラス
ソーダガラスは、もっとも一般的なガラスです。
「ソーダ石灰ガラス」とも呼ばれ、やや青みがかっていて、側面から見ると緑っぽく見えるのが特徴です。
安価で入手しやすいことから、食器だけでなく、建物の窓など多くの場所に使われています。
デメリットは、耐熱性が低いことです。
ソーダガラスは高温と温度変化に弱いため、冷たい飲みものだけにしておいたほうがいいでしょう。
耐熱ガラス(ホウケイ酸ガラス)
耐熱ガラス(ホウケイ酸ガラス)は、熱い飲みものでも安心して使えるグラスです。
熱膨張率が低いため、熱に強く、急激な温度変化にも強いという特徴があります。
ガラスの色味が透明で、液体の色がはっきり見えるため、医療や科学などの場面でも使われています。
飲食店で使う場合は、飲みものの温度にかかわらず、一年中使えるのが大きなメリットですね。
強化ガラス
強化ガラスは、さまざまな方法でガラス自体の強度を強くしたガラスです。
強化の方法として、代表的なものがこちらの2つです。
・ 物理強化
ガラスに急激な温度変化を与え、強化したものです。
物理強化には、飲み口を強化する「口部物理強化」と、グラス全体を強化する「全面物理強化」の2種類があります。
・ イオン強化
イオン強化とは、ガラス表面のイオン(電気を帯びた原子)を変化させて、ガラスを強化する方法です。
イオン強化には、飲み口を強化する「口部イオン強化」と、全体を強化する「全面イオン強化」があります。
今回のサンプル制作で使用したのは、「全面物理強化」ガラスです。
全面物理強化ガラスは、強化の際に加えられた急激な温度変化の影響で、小さな傷からの衝撃で爆発するように壊れる恐れがあります。
全面物理強化ガラスを飲食店で使う場合は、グラスに傷がないか、定期的にチェックを行うようにしましょう。
2.印刷において注意が必要なもの
グラスの種類によって、それぞれ注意したい印刷のポイントがあります。
ここでは、印刷デザインを検討する際に押さえておきたい、注意事項について見ていきましょう。
うすづくり
こちらは、日本酒がよく映える「うすづくり」のグラスです。
なめらかで軽い口当たりの良さは別格ですね。
最近ではタンブラー型にも採用されていたりと、普及していることを感じます。
素材が薄いことから割れやすく、取扱いには注意が必要です。
口当たりに影響しないよう、飲み口付近を避けてデザインを配置したほうがいいでしょう。
手吹きガラス
手吹きガラスは、息を吹き込んで手作りされたガラスです。
ひとつずつ手作りのため、同じものは二つとなく、あたたかな味わいがあります。
このように個体差が大きいグラスの場合、印刷品質が安定しない場合もあります。
私たちは「このグラスに印刷できる?」といったご相談もお受けしておりますので、迷った場合はお気軽にご相談ください。
強化ガラス
ガラスへ印刷するインクは、大きく分けて2種類があります。
高温で焼成する「高温焼成インク」と、低温で焼成する「低温焼成インク」です。
強化ガラスは、「高温焼成インク」を使うことにより、強化効果が無くなる可能性があります。
印刷したいグラスを選んだ理由が「形」なら、特に気にする必要はありません。
しかし、選んだ理由が「強化グラスだから」という場合は、強化効果が残るように低温焼成インクを使用することも可能なので、その旨をお伝えください。
ただし、低温焼成インクは印刷範囲や手洗い推奨など、ご注意いただきたい点があります。
くわしい注意事項につきましては、お気軽にお問い合わせください。
耐熱ガラス
耐熱ガラスに印刷するインクによっては、色を重ねていくと、はがれやすくなる特性があります。
そのため、基本的に耐熱ガラスへの多色印刷はおすすめできません。
ただし、色と色が重ならないデザインの場合は多色印刷も可能です。
耐熱ガラスに印刷する場合は、このような点も含めてデザインを検討すると、スムーズに進めることができます。
3. 用途で選ぶインクの種類
グラスの用途にあわせて最適なインクを
私たちは、「印刷したいけど数が少ないから注文しづらい」とお悩みのお客さまのために、小ロットから特殊印刷を受注しています。
高品質な印刷サービスをお届けするために、グラスの使用環境や用途にあわせて、もっとも適したインクを選定しています。
たとえばカフェやレストランの場合、次のようなご要望に合わせてご提案いたします。
・飲食店で使うので、業務用食洗器に耐えられるグラスと印刷がいい
・バーで使うので、手洗いに向いているグラスと印刷がいい
さらに、デザイン面では以下のようなご要望にお応えできます。
・光沢のある金色を使用したい
・グラスのカーブに2色で印刷したい
・4色以上を使用したい
・グラスに沿ってぐるっと一周のデザインを印刷したい
難しい場合もありますが、できる限りお客さまのイメージ通りに表現できるよう最善を尽くします。
お客さまの使用環境やコストメリットを考慮し、最適な方法をご提案いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
4. 今回の印刷サンプル紹介
それでは、今回の印刷サンプルを見ていきましょう。
DURALEXのグラスです。
印刷は白インク一色のみを使用しました。
こちらは、イラストレーターの tomu ohnishi様によるデザインです。
紙コップの制作事例でもご紹介させていただいた、素敵なイラストです。
5. 最後に
今回は、コーヒーにちょうどいい、小ぶりなグラスへの印刷についてご紹介しました。
耐熱ガラスや強化ガラスを選ぶと、飲みものの温度にかかわらず使える、便利なアイテムになりますね。
私たちは、今回のようなグラスのほかにも、さまざまなお持ち込み製品への印刷を行っています。
小ロットからご注文いただけるので、どうぞお気軽にお問い合わせください。