今回は、園芸ハサミへの印刷事例をご紹介します。
園芸ハサミは、取っ手と刃の部分が異なる素材のものもあり、一般的には印刷が難しいグッズです。
ですが、私たちは使用するインクを工夫して選ぶことで、印刷を可能にしています。
今回のサンプル印刷に使用した園芸ハサミは、ガーデニング全般に使える「剪定バサミ」です。
印刷できる園芸ハサミの種類や素材など、園芸ハサミへの印刷についてもわかりやすく解説します。
まず最初に、園芸ハサミの種類について見ていきましょう。
園芸ハサミは、大きく分けて次の5つの種類があります。
クラフトハサミ
クラフトハサミは、オールマイティに使える園芸ハサミです。
枝切り作業から、収穫、フラワーアレンジメント、麻ひもや肥料袋のカットなど、一つ持っておくと本当に便利な万能ハサミです。
植木バサミ
植木バサミは、小枝や葉をカットするためのハサミです。
プロ用と一般用があり、価格にかなり差があります。
芽切りハサミ
新芽の芽切りや、果樹の摘果に使われる、やや大きめの園芸ハサミです。
持ち手にバネがついたラチェット式で、硬い芽もラクに切れる仕組みになっています。
ハーブハサミ
裁縫道具の「糸切りハサミ」のような形をした園芸ハサミです。
やわらかなハーブの葉を切るために使われます。
剪定バサミ
剪定バサミは、植木バサミでは切りづらい太い枝もカットできる園芸ハサミです。
植木屋さんやお花屋さんなどのプロも使っています。
2.印刷できる園芸ハサミ・印刷できない園芸ハサミの違いは?
園芸ハサミに印刷できるかどうかは、園芸ハサミの素材と形状によります。
- 素材について
一般的なプラスチック素材であれば、ほぼ印刷できます。
しかし、再生素材のプラスチックや、表面に塗装やコーティングがされているものは、試作やインクのテストが必要になる場合もあります。
まずはお気軽にご相談ください。
実際の流れとしては、製品の詳細情報をお送りいただいたり、現物をお借りして、印刷できるかどうかや、印刷ができる範囲を確認し、お客様にお伝えしています。
- 形状について
どんな形状のハサミであっても、持ち手の表と裏が繋がっているデザインの絵柄は印刷できない点にご注意いただけますようお願いいたします。
(表は表、裏は裏で印刷するため、つなぎ部分が接続できないためです)
参考として、今回の印刷サンプルに使用した園芸ハサミの素材は、こちらです。
通常は、このように異なる素材がひとつになっているものへの印刷は難しい場合が多いのですが、私たちは使用するインクを工夫して選ぶことで、印刷を可能にしています。
| ハサミのパーツ部分 | 素材 |
| 持ち手 | ABS樹脂 |
| 刃 | ステンレス |
3.園芸ハサミへの印刷方法(単色・カラー・印刷範囲について)
園芸ハサミへの印刷は、単色とカラーどちらも可能です。
ここからは、園芸ハサミへの印刷方法についてわかりやすくご紹介します。
おすすめは「単色のパッド印刷」
「パッド印刷」は、やわらかいシリコンでできたパッドにインクを拾わせて、ハサミにぺたっと押し付けて転写する印刷方法です。
スタンプのようなイメージですね。
パッド印刷は単色・多色ともに可能ですが、多色の場合、使う色ごとに版を用意する必要があるため、コストが上がってしまいます。
園芸ハサミは比較的印刷スペースが小さいこともあり、多色にする効果が大きく感じられにくいことも含めて、単色での印刷をおすすめしています。
今回の印刷サンプルも、単色のパッド印刷で印刷しています。
印刷の流れとしては、持ち手部分に印刷し、乾燥させて定着させてから、刃の部分に印刷、そして乾燥させる、といった工程で仕上げています。
パッド印刷についてもっと詳しく知りたい方は、こちらをご確認ください。
フルカラー印刷なら「インクジェット印刷」
園芸ハサミにフルカラーで印刷したい場合は、「インクジェット印刷」という印刷方法を使います。
インクジェット印刷は、パソコンのインクジェットプリンタと同じような仕組みです。
プリンタ内で吹き付けられるインクによって、園芸ハサミにデザインが印刷されます。
インクジェット印刷はインクを吹き付けて印刷するため、凹凸のある形状が苦手です。
そのため、園芸ハサミの形によっては印刷ができない場合や、印刷できる場所が限られてしまう場合があります。
園芸ハサミの印刷可能範囲は、形状により異なる
園芸ハサミの印刷可能範囲は、ハサミの形状によって異なります。
一般的には「平らな部分への印刷のみ」となりますが、印刷方法によっては平らな部分以外にも印刷ができる場合があります。
実際の流れとしては、製品の詳細情報をお送りいただいたり、現物をお借りして、印刷できる部分を確認し、お客様にお伝えしています。
印刷範囲は園芸ハサミの形状により異なりますので、まずはお気軽にご相談ください。
ただし、どんな形状のハサミであっても、持ち手の表と裏が繋がっているデザインの絵柄は印刷できない点にご注意いただけますようお願いいたします。
(表は表、裏は裏で印刷するため、つなぎ部分が接続できないためです)
4. 今回の印刷サンプル紹介
それでは、今回の印刷サンプルを見ていきましょう。
取っ手と刃に、ワンポイントロゴとメッセージをデザイン
印刷に使用したのは、持ち手に樹脂カバーがついた、一般向けの剪定バサミです。
刃の部分には、ナチュラルでかわいらしいお花をあしらいました。

取っ手には、ワンポイントのウサギとブランドコンセプトのメッセージをデザインしています。
ウサギが持っているお花の茎や花びらなど、細かいところもくっきり印刷できました。

毎日使うものだからこそ、さりげないオリジナリティが嬉しいですね。
ガーデニングがお好きな方へのプレゼントとしても、ご満足いただける仕上がりになりました。

園芸ハサミの「異なる素材なのに、同時に印刷」ができる理由は?
園芸ハサミや植木鉢などの園芸グッズ界隈は、印刷を請け負うメーカーが少ないという現状があります。
なぜ、園芸ハサミへの印刷は一般的ではないのでしょうか?
園芸ハサミへの印刷が難しい理由として、「一つのハサミに異なる素材が使われているため、通常の方法だと印刷後の乾燥処理ができない」ことがあります。
通常、印刷後は、インクをしっかり定着させるために、乾燥炉の中でしっかり過熱して乾燥を行います。
しかし、今回印刷した園芸ハサミは、持ち手が「ABS樹脂」、刃が「ステンレス」でできています。
ABS樹脂はプラスチックの一種なので、耐熱温度が鉄よりも低く、通常の乾燥温度で行うと溶けてしまいます。
| 素材ごとのインク乾燥温度(℃) | 耐熱温度(℃) | |
| ABS樹脂(プラスチック) | 60~80 | 70~100 |
| 金属(ステンレスなど) | 120~150 | 500~1000 |
このように、ABS樹脂の耐熱温度は約70~100℃なのですが、ステンレスのインク乾燥温度は120℃からとなっています。
かといって、120℃で加熱すると、プラスチックが溶けてしまいますよね。
そこで今回は、「金属でも80℃という低温での乾燥が可能なインク」を選定しました。
こうして、ABS樹脂が溶けない温度でありながら、ステンレスも乾燥できるインクを選定することで、異なる素材への印刷ができるようになりました。
「他にはない印刷」はお任せください
一般的には印刷が難しい素材でも、使用するインクを選定するなどの工夫で、印刷できる場合があります。
「他で断られてしまった素材」や、「他にはない印刷がしたい」場合など、ちょっと難しいかな?と思う印刷内容がありましたら、ぜひ一度私たちにご相談ください。
5.まとめ
今回は、園芸ハサミへの印刷についてご紹介しました。
園芸ハサミはガーデニングや家庭菜園に欠かせないツールです。
園芸店のお客様プレゼントや、敬老の日イベントの名入れプレゼントにもぴったりですね。
私たちは、今回のような園芸ハサミのほかにも、さまざまなお持ち込み商品への印刷を行っています。
個人様向けに1点からのご注文も可能ですので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

