「推し活仲間へのプレゼントに、推しのグッズをつくりたい!」
「SNSで見つけたかわいいイラストを印刷したい」
このようなお問い合わせをよくいただくのですが、著作権侵害にあたる印刷はお引き受けすることができません。
そもそも、「著作権ってなに?」と思う方も多いはず。
そこで今回は、印刷にまつわる「著作権」のルールについて、わかりやすくご紹介します。

弊社では、「ご依頼者さまご自身が権利を持っていないデザイン」は印刷することができません。
ただし、例外として、権利者から正式な許諾を得ている場合に限り、印刷が可能です。
ですが、「権利」や「許諾」と聞いても、少し分かりにくいと感じる方も多いかもしれません。
そこで、印刷にかかわる権利や許諾について、ひとつずつ見ていきましょう。
2.印刷デザインにかかわる権利ってどんなもの?
たとえば、有名なアニメキャラクターのイラストを、無断でコピーして販売することはNGですよね。
イラストや音楽など、人間がつくった創作物は、創作した本人が権利を持っています。
このような創作物を保護する権利をまとめて、「知的財産権」と呼びます。
この知的財産権が守られているからこそ、漫画家やアイドルグループなどが正しく利益を得ることができているのですね。
知的財産権には、発明を守る「特許権」や、文章・イラスト・音楽などを守る「著作権」など、いくつかの種類があります。
ここからは、著作権の中でも特に印刷にかかわる、3つの権利について確認していきましょう。
著作権とは
著作権とは、小説や音楽、美術作品など、人が創作した表現を守るための権利です。
私たちが普段目にしている小説や映画、写真、イラストなどは、すべて著作権によって保護されています。
「誰かがつくった表現」には原則として権利があり、勝手に使ってよいものではない、というのが基本的な考え方です。
参考:特許庁,知的財産権について,https://www.jpo.go.jp/system/patent/gaiyo/seidogaiyo/chizai02.html,参照日2025-12-18
商標権とは
ブランドのロゴマークや、コスメの商品名などは、ほとんどの場合「商標権」によって保護されています。
商標権とは、商品やサービスをほかと区別するために使われる、文字や図形、記号などを守る権利のことです。
これらは商標として登録されており、権利者の許可なく使用することはできません。
参考:日本弁理士会,商標権と商標出願,https://www.jpaa.or.jp/intellectual-property/trademark/,参照日2025-12-18
肖像権とは
もし、SNSに自分の写真が無断で投稿されていたら、とても困りますよね。
肖像権とは、こうした写真の無断使用を防ぐためのもので、「自分自身の姿を撮った写真を、勝手に使われないように保護する権利」のことです。
参考:東京くらしねっと,肖像権って何?~SNSを楽しく安心して利用するために~,https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/2311_12/wadai.html,参照日2025-12-18
3.勝手に使ったらどうなるの?

もし、有名人の写真やブランドのロゴマークを、勝手に使ってしまったらどうなるのでしょうか?
著作権侵害をしてしまった場合、「10年以下の懲役、または1000万円以下の罰金」が科せられることがあります。
「知らなかった」「悪気はなかった」では済まされないケースもあるため、印刷を依頼する際には特に注意が必要です。
参考:CRIC 公益社団法人著作権情報センター,著作物を無断で使うと?,https://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime8.html,参照日2025-12-18
4.「私的利用」の印刷もNG?
著作権のルールでよく知られているのが、「私的利用はOK」という考え方です。
たとえば、「有名人のイラストを描いて自分で楽しむ」ことや、「アニメのイラストを模写して友達にプレゼント」といった行為は、私的利用の範囲であれば著作権侵害にはあたりません。
私的利用の範囲は、著作権法第30条で「個人的に、または家庭内で使用する場合」と明記されています。
つまり、弊社のような第三者に印刷を依頼することは、この範囲を超えるため、著作権侵害にあたります。
印刷を依頼するだけで、なぜ権利侵害になってしまうのでしょうか?
それは、「利益が発生するから」です。
有名人のイラストを印刷して発生した利益は、本来なら著作者本人が受け取るべきお金です。
それを第三者である弊社が受け取ることで、著作者の権利を不当に害することになってしまうのです。
このような理由から、弊社では、たとえ私的利用を目的としたものであっても、著作権侵害にあたるデザインの印刷はお引き受けしておりません。
参考:CRIC 公益社団法人著作権情報センター,国内法令 著作権法,https://www.cric.or.jp/db/domestic/a1_index.html,参照日2025-12-18
5.印刷できないイラスト・写真・ロゴの例
私たちが普段目にしているデザインのほとんどが、著作権や商標権、肖像権といったさまざまな権利によって守られています。
しかし、気をつけていないとうっかり使ってしまうそうになることも少なくありません。
そこでここからは、権利侵害にあたる、もしくはその可能性が高いイラスト・写真・ロゴマークなどの事例を具体的に見ていきましょう。
以下のようなデザインを使ったグッズ製作を、第三者に依頼することはNGとなります。
キャラクター
アニメ・漫画・ゲームなどのキャラクター、Vtuber、同人グッズなど、SNSやインターネットで目にするキャラクターのほとんどは、権利者の許可なく利用することはできません。
例外として、くまもんのようなご当地キャラクターについては、定められた利用条件を守ることで利用できるケースもあります。
パロディイラスト
パロディイラストとは、アニメや漫画などのキャラクターを真似て描いたイラストのことです。
たとえご自身で描いたイラストであっても、元となる作品の作者の許可がなければ、二次的著作物(二次創作)として扱われます。
そのため、印刷デザインとして使うことはNGです。
タレント名
「〇〇くんバーンして」など、タレント名を使った印刷もNGです。
ただし、「バーンして」というふうに、名前部分を含まない表現であれば問題ありません。
なお、タレント名だけでなく、グループ名や作品名もNGです。
ブランドロゴ
ミュージシャンのロゴ、Vtuberのネームロゴ、企業ロゴなど、ブランドを示すマークを使ったデザインもNGです。
校章
「同窓会の記念品として、自分が通っていた学校の校章を印刷したグッズを作りたい」
このようなケースも、校章が権利で保護されているため、印刷はNGとなります。
写真
有名人・一般の方を問わず、他人が写っている写真を使った印刷はできません。
写真を使う場合は、ご自身またはご家族・ご友人などごく身近な方で、事前に許可をもらっている場合にとどめましょう。
AI作成イラスト
「AIでつくったイラストだから、自分自身で権利を持っている」
このように思われる方も多いかもしれません。
しかし、AI作成イラストは、学習の過程で第三者の著作物を利用している場合があります。
また、使用するAIによっては、ガイドラインに商用利用について明記されていないケースもあります。
こうした理由から、AI作成イラストを使った印刷もNGとしています。
フリー素材のうち商用利用可と明記されていないもの
「SNSで見つけたかわいいフリー素材で、オリジナルグッズをつくりたい」
こういった場合は、注意が必要です。
たとえフリー素材であっても、ガイドラインに「商用利用可」の記載がないと印刷はNGになります。
商用利用が許可されているかどうかは、フリー素材の利用ガイドラインを確認しましょう。
商用利用について明記されていない場合は、NGです。
6.入稿データの著作権確認について
イメージしている印刷デザインに、問題がないかどうか、確認できましたでしょうか?
弊社では、お客様のトラブル防止と、著作権をはじめとした権利を守るため、次のような体制で取り組んでいます。
著作権の確認は、お客様ご自身でお願いいたします
弊社では、著作権や商標権、肖像権などの権利関係に関する個別の確認・判断は行っておりません。
企業・個人を問わず、印刷のご依頼は、お客様ご自身の責任でお願いしています。
そのため、印刷デザインに関する著作権等については、事前に必ずお客様ご自身でご確認ください。
お断り・キャンセルさせていただく場合があります
入稿データの内容が、明らかに著作権等の侵害にあたると判断できる場合は、ご依頼をお断りすることがあります。
また、ご注文後であっても、キャンセルさせていただく場合があります。
著作権・商標権・肖像権で保護されているデザインについては、個人利用・商用利用を問わず、印刷のご依頼をお受けすることはできません。
万が一トラブルが発生した場合は、ご依頼者様の責任となります
印刷したグッズをきっかけに、著作権などに関するトラブルが発生した場合、その責任はご依頼者様のものとなります。
たとえば、入稿データにアニメキャラクターが含まれていたものの、マイナーなキャラクターであったため、印刷会社側で判別できなかったとします。
このような場合でも、印刷会社に責任は発生せず、印刷を依頼したご依頼者様の責任となります。
トラブルを防ぐためにも、必ずご事前に自身でご確認いただきますようお願いいたします。
7.まとめ
たとえ私的利用であっても、ご自身で使用許可を持っていないデザインについては「グッズの作成を業者に依頼すること」自体がNGとなります。
「プレゼント用だから」「販売しないから」といった用途は、関係ありません。
万が一トラブルが発生した場合、印刷した会社ではなく、ご依頼者様の責任となります。
トラブル防止のために、印刷デザインの権利関係は必ず事前にご確認いただきますようお願いいたします。
ルールを守って、楽しいグッズづくりを進めていきましょう。

