この食器セットへのロゴ入れ… どのような加工に見えますか!?
… 実は印刷ではないんです。
とても鮮明で綺麗ですよね。
「印刷」という工程にこだわりのある方も多いですが、
弊社では使用する環境によっては、”ある加工方法”を推奨しております!
まずは、加工対象であるプラスチック製食器について見てみましょう。
1. プラスチック製 食器とは
プラスチック製食器ならではの強みは、軽く・割れないこと。
その特徴から、子ども用食器、介護用食器、アウトドア食器などに広く使われてきました。
プラスチック食器には、食器ならではの性能として、衛生的で持ち運ぶのに軽く、熱い料理に溶けずに、繰り返し使用できることが求められます。
広く使用されているプラスチック食器の材質
・メラミン
・PP(ポリプロピレン)
・PC(ポリカーボネート)
更に、近年ではサスティナブルやエコを意識して、なるべく廃棄を減らし、素材寿命を長くすることで環境負荷を減らす動きが活発になっています。食器では、食に関連するアップサイクル材やリサイクル材を樹脂に混合する成形商品が増えています。
廃棄する予定のお米(非食品)やコーヒー豆などの実例があり、この混合樹脂で作られた製品をプレミアムグッズとして活用されている例も少なくありません。
アップサイクル製品への印刷
さて、このようなアップサイクル製品に加飾をするニーズは当然ありますが、再生材料として使用されるPP(ポリプロピレン)は印刷が難しい(密着がしづらい)材質として知られています。
さらに、お客様の多くは食べ物が触れる箇所に印字したいというニーズも多いのですが、通常プラスチック印刷に使用するインクは、有機溶剤・顔料・樹脂を含むものとなるため適しているとは言えません。
そこで、弊社がご提案しているのが、「レーザーマーキング」です。
2. レーザーマーキングについて
レーザーマーキングとは、様々な波長の高密度レーザー光を対象物に当てることにより表面状態を変化させる加工技術です。木へのレーザー加工のように焦がす外観仕上がりイメージする方が多いですが、発達したレーザー技術により、材質によっては、印刷のようなはっきりとした白を対象物に付与するような事も可能となります。
加工可能な材質
レーザーマーキングは、様々な材質に適用することが可能です。
・金属(アルミ、ステンレス、鉄、真鍮、亜鉛など)
・ガラス
・セラミックス
・プラスチック
・シリコーン
・木材
・革
・紙
・石
・その他
レーザーマーキングの強み
印刷と比較したレーザーの強みは、下記のような点が挙げられます。
・版が必要ない
シルクスクリーンやパッド印刷には必ず版が必要となりますが、レーザーマーキングの場
合は必要がないため、初期コストを抑えることが出来ます。ただし、印刷には通常発生し
ない「データ作成費」というものが必要になります。
・可変データの対応が可能
印刷では、一文字変えるだけで新しい版が必要となりますがレーザーの場合は、必要ありません。
個別のナンバリングや名前を加工することができます。
・微細なデザインが得意
レーザーは光が届く範囲であれば加工が可能なため、印刷では非常に制限が強くなる壁に囲まれている場所に加工することもできます。(今回のボウル製品など)
・剥がれるというリスクがない
レーザーマーキングでの加工は、表面変化となるため、印刷のように「密着性」を心配する必要はありません。
ただし、材質とレーザー条件により外観品質や色が決まるため、印刷と比較して表現の自由性は低くなるとも言えます。
・印刷が出来ない場所にも加工ができる
印刷では難しい細線や複雑なデザインもレーザー加工では綺麗に加工することができます。
・化学薬品を使用しない
印刷では溶剤などの化学薬品を使用しますが、その点レーザーマーキングは安心です。
ただし、対象製品の素材とレーザーの相性により、食品衛生上の影響がある可能性はゼロではありません。
必要に応じて安全検査等の実施をお願いいたします。
レーザーマーキングの注意点
・加工色の選択は基本出来ない
加工する対象物の材質とレーザーの照射条件により加工される色が決まるため、
基本的に加工する色を印刷のように指定することは出来ません。
・加工対象品の材料・色見が仕上がりに影響する
同じ材料表記であっても、材料メーカー・成形条件が異なるため、事前の仕上がり確認は必ず行っていただいております。
同じガラス製品であっても透明なのか色が付いている商品かでも加工条件、仕上がり外観は変わります。
・安い加工方法ではありません
レーザーは印刷と同様に加工対象物に合わせ都度条件出しを行います。
レーザー加工は他の加工方法に比べて安価なイメージを持たれている方がいらっしゃいますが、印刷よりも高くなる場合もあります。
印刷にするのか、レーザーにするのか、是非それぞれの加工方法が持つ付加価値でご検討下さい。
3. 印刷事例:PP製 食器・カトラリーセット
今回は、PP(ポリプロピレン)製の環境配慮型プラスチック食器セットにレーザーマーキングしてみました。
セット内容はこちらです。
・プレート
・ボウル
・コップ
・カトラリー(スプーン、フォーク、ナイフ)
デザインは、架空のカフェ BUGWORM’S CAFE の食器セットということで作成しました。
BUGWORM(みのむし)が、なんとも可愛いです。
・プレート
寸法:22 CM
絵柄:4 x 5 CM
・ボウル
寸法:H6 x 15 CM
絵柄:4 x 5 CM
このような深く、壁に囲まれた箇所に加飾をすることは、他の方法では困難です。
・カップ
寸法:H10.5 x 7.5 CM
絵柄:3.5 x 4.5 CM
・カトラリーセット(ケース、スプーン、フォーク、ナイフ)
ケース 寸法:H2.5 x 5.5 x 20.5 CM
カトラリー 寸法:16 CM
絵柄:ワンポイント 1 x 1 CM
文字 (LET’S EAT ME!!) 0.5 x 5.5 CM
LET’S EAT MEは3次元曲面に加工をしており、このような面にも加工が可能です。
同じ素材なのに、このようなこともあります...
今回、実は3色の製品に加工を行ったのですが、グレー色だけ表面状態が異なるのか、上手く加工をすることが出来ませんでした。このように、同じ商品アイテムでも条件が変わることがありますので、事前の確認テストを推奨しております。
今回ご紹介させて頂いたレーザーマーキングを初め、ご要望に合わせて多種多様な加工方法をご提案致します。
持ち込み製品への加工も可能ですので、Webサイト内の試作事例にない商品であっても、
ぜひお気軽にお問い合わせください