今回は鏡表面への印刷を行いました。つまり鏡面への印刷です!
ミラーケースの表面(プラスチックなど)への印刷はよく目にしますが、
鏡表面への印刷は需要も限定的なため、めずらしいのではないかと思います。
鏡表面への印刷(試作事例)
鏡のガラス表面へパッド印刷を行いました。
文字や柄が二重に見えていますね。
なぜ鏡に印刷すると二重に見えてしまうのでしょうか?
鏡の構造、素材
実は「鏡」が私たちの顔を写してくれるのは、
ガラスの裏面、もしくは表面に反射材が塗布されているからなんです。
ガラスではなく、反射面に映ったものを鏡像として認識しているんですね。
そしてガラスの裏面の反射材があるものを裏面鏡、
ガラスの表面にあるものを表面鏡といいます。
一般的に流通している鏡は「裏面鏡」です。図にしてみるとこのような形になります。
鏡を覗き込んだ際に、モノが薄く二重に見えたことがありませんか?
これは図のように反射されたものがわたしたちの目に入るからなんですね。
ちなみに、精密さが要求される医療や光学的機械に使われる鏡は二重に見えたりすると困るため「表面鏡」で作られています。
試作印刷に用いた鏡は一般的に流通しているものなので、「裏面鏡」です。
ガラスの表面に文字や模様を印刷しているので、
裏面の反射材に文字が映って、二重に見えていたということです。
(ガラスの厚みによって、二重の見え方も変わってきます)。
今回は印刷していることがわかりやすいように、黒色のインキのみで印刷しましたが、
通常は、白引きといって、印刷する文字や柄を事前に白色のインキで印刷を行います。
そうすると、白地の部分が反射するので、遠目からでは二重が目立たずにすみます。
また、今回の試作事例に用いた鏡は「ガラス」材質のものですが、
アクリルやステンレス、アルミのミラーなど、ガラス以外の素材への印刷も可能です。
2. 鏡のガラス表面への加飾方法
鏡のガラス表面への加飾方法はいくつか種類があります。
① シルクスクリーン印刷
シルクスクリーン印刷は、水と空気以外の平面のものであればあらゆる素材に印刷できる!というもので
鏡素材でも問題なく印刷が可能です。
ただ、シルクスクリーン印刷は色数ごとに版が必要なので、
フルカラーのデザインなどは再現がむずかしい場合があります。
② 転写(シール)
フルカラーで印刷したシールを転写する方法です。
最前面であるガラス面にシールを貼りますので、シールの裏面が反射します。
そのため、出来上がりのイメージの確認が必須です。
③ レーザーエッチング
レーザーでガラス表面をエッチングすることで、デザインや文字を印字します。
インキを用いないため、剥がれなどの心配がなく、耐久性が期待できます。
弊社では、表現したいデザインや、使用シーンをヒアリングの上、
最適な印刷方法をご提案させていただきます。
3. 鏡表面への印刷における販促事例
「鏡表面への印刷」と聞くと、
鏡を見る際にジャマだし、需要はないのでは?と思いませんでしたか?
実際は「この鏡のこのデザインを」とピンポイントでお問い合わせをいただくことが多いです。
弊社では1個からの印刷、持ち込み素材への印刷が可能ですので、スムーズに対応することができます。
鏡を使った印刷販促事例をいくつかご紹介しますね。
プロモーションとしての印刷(パブミラー)
居酒屋さんなどでお酒のロゴが印刷された鏡を見たことがありませんか?
会社のロゴや広告を印刷することで、プロモーションの効果があります。
インテリアデザインとしての印刷
壁掛けタイプの鏡表面に花や植物などのデザインを印刷する、といった事例です。
空間を彩ることができ、また、鏡があることで部屋全体に奥行をもたせることができます。
キャラクターグッズとしての印刷
コンパクトミラーや卓上ミラーに、好きなキャラクターを印刷するという事例もあります。
朝の身だしなみチェックの時間、出先でちょっとしたとき、
鏡をのぞき込むとき「推し」のキャラクターが鏡に映っていると、
「がんばろう!」と元気をもらえる、ということで人気のグッズのようです。
教育研修/自己啓発としての印刷
オフィスの鏡にマナーに関するメッセージや企業理念を印刷したり、
また、プライベートで使用するものであれば、毎日のルーティーンや座右の銘や、大切にしている言葉などを印刷するケースがあります。
ブライダルなどの記念品としての印刷
結婚式のウェルカムボードへの印刷です。
特別な日を彩る記念品として、ご依頼いただくケースがあります。
ご紹介させていただいたケース以外でも、印刷は可能ですので、
鏡への印刷をお考えの際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。